週末(Tokyo Conflux初日)

  1. 金曜日は、国立NO TRUNKSへ、芳垣安洋(ds)/藤原大輔(ts)デュオ。よかった。
    1. 基本的に決めごとがないセッション。芳垣のドラムは、辺り一面を覆い尽くすようなもので、それが静から動、動から静と大洋のようにうねる。凄まじい。前半は、そこに藤原が、あえて引いたかんじに藤原らしいスピリチュアルな展開。すばらしいが、自分は不完全燃焼。で、後半いきなり、大ウネリがやってきて、そこからは藤原も切れたように。それに反応して、縦なビートで追い込むドラムも鬼。ものすごく濃厚な30分で、終わったあと芳垣が「これで今日は終わりです」云々(ほんとは1時間はやります)とピュアにいったのもすごい納得デス。あれで終わってもよかった。でも、アンコールとして、ややリラックスして一応時間いっぱい近くやってくれました。
  2. 土曜日は、国立NO TRUNKSへ、中牟礼貞則(g)/津上研太(as)デュオ。これもよかった。
    1. 基本スタンダード(いや半分は知らんかったですけど)を、ゆったりと、お互い噛み締めるような応報の連続。しかし、後半津上がエキサイトしてきて、ちょっとはみ出しにいったりするあたりから、中牟礼の返しも尖ってきて、呆然とする。表面は柔らかいんだけど。特に最後2曲はじっとり汗をかく。すごい。
  3. 日曜日は、公園通りクラッシックスで、Tokyo Confluxの初日。八木美知依(琴)/Ingebrigt Haker Flaten(b)/Paal Nilssen-Love(ds)のトリオと、Peter Brotzmann(reeds)/Mats Gustafsson(reeds)/Paal Nilssen-Love(ds)のトリオFat Is Gone。50人は入ってたと思います。
    1. MCでマーク・ラパポート。MC出てくるショウなんてひさしぶりだな。
    2. 八木トリオ。初めて聴きますんで、どんなかなと。Nilssen-LoveもFlatenもものすごく楽器を制御するひとたちだと思うのですが、八木はアナログなノイズ発生装置として琴を扱っているかのようで、この対比が自分はけっこう面白かった。リズムの二人は、ほんとジャズ的に状況と相乗していくような、いつものプレイかと思ったが、そこに状況をかき回す八木に戸惑いつつも、どりゃぁとなった感じ(なにそれ)。
    3. 最初のセッションが終わって、短いインターバルに、あ客席からKen Vandermarkがバックステージにいったなぁ、と思ってたら、MCから「おまけのセット」。
      1. 予定にない、Vandermark(ts)/Flaten(b)/Nilssen-Love(ds)で10分くらいか。おおおおまさに初めてみたVandermark。これが期待どおりというか、このトリオというのは録音であったっけと思いながらも、そんなことはどうでもよく、直球フリーなブローとR&B的なホンク、その上でどれがフックになってんだか、急にリズム隊ともキメがバシバシあう瞬間が何度も。快感。
    4. Fat Is Gone。御大は最初はクラリネット、Matsはバリトン、やや御大不利かなぁ、なんて対戦みたいな暢気な感想を始まる前は思ってたが、終止巨大な音量で圧倒される。ハードコア並み。御大がテナーに持ち替えて、Matsがアルトというあたりがピークでしょうか。アンコールにも応えていただきました。ほんとごちそうさまでした。
    5. それにしても、これを終始支える、Nilssen-Love。上腕太い。っていうか、この5日間毎日たたきますよ。今日からピットインでThe Thing with Ken Vandermark 2 Daysです。