Band Of Susans「The Word And The Flesh」91年

ひさびさに家にだれもいないので、Band Of Susans「The Word And The Flesh」91年Restlessを聴く。3枚目くらいか。
このときのメンバーは、すでにPage Hamiltonは抜けたあとで、Robert Poss(g,vo)/Susan Stenger(b,vo)以外は、Ann Husick(g)/Mark Lonergan(g)/Ron Spitzer(ds)。3本のエレクトリックギターを、和声の積み上げの道具として利用し、その複雑に動く(表面上はシンプルな、メランコリックだったりあるいは攻撃的だったりするメロディに聴こえる)音の層が、魅力のすべてであり、逆にいうと、ドラムの貧弱さが妙にバランスが悪くも思えてくる。なお、Rhys Chathamの「Guitar Trio」をカヴァー(でいいのか?)している。
師匠筋のRhys Chathamもそうだが、このシンプルな8ビート指向はなにかの限界なのか、それとも明確な意図なのか。まあ、Rhysは単にロックが好きとかそういう世界だと思うんだけど。
自分としては、一時期(「Exposure」とか)のRobert FrippにもっとWire的なものを追加したような感じで聴いてます。
http://www.monotremata.com/bos/
それはそれとして、最近でこそ、音響系という言葉が出てきて、音のコンセプト自体だけで音楽になって、録音がされるという行為が普通になってますが、当時としては、それだけじゃ録音物にならずに、やっぱりなんか、普通にバンドサウンドなロック楽曲も織り込んで収録しちゃうバランス感覚みたいなものがミュージシャンの自発的な感覚としてあったんだな、とか思う。もし、今Band Of Susansがあったら、パンクチューンやグランジチューンは入れずに、このアンサンブルだけで1枚作るだろうな。とか関係ないことを思います。Post Punk期にはよくあったことで、Wireですら、そこから離れるのにあれだけ時間がかかってますし。(これはロック楽曲がつまらないとかいう意味じゃないですよ)
Word & Flesh