今日観た動画 Balancing Actのデビュー当時のライヴ映像

86年にIRS傘下のPrimitive Manからデビューミニアルバムをリリースした、ロサンゼルスのコンテンポラリーフォークグループThe Balancing Act。80年代初期に結成され、おそらく80年代末には解散していたと思います。2枚のアルバムを残しています。同名で、ファンクグループがありますが、もちろん違います。
前に探したときは映像は見つからなかったのですが、86年の最初のツアー時の映像がYouTubeにアップされていました。超貴重ですが、再生数が少ないので気がついてないファンも多いのでは。音量が小さいのがちょっと残念。
Jeff Davis(vo,g)/Steve Wagner(vo,b,g)/Willie Aron(vo,g,harp)/Robert Blackmon(vo,ds)。録音では全員がパーカッションも担当していたようですし、全員が歌います。また、映像をみればわかるようにライヴでは、いろいろ楽器を持ちかえてます。個々のテクニックなどで見るべき点はまったくと言っていいほどないのですが、グループとしての器楽的な快感ということに注目ください。

86年のPeter Caseがプロデュースした「New Campfire Songs」EPの最初の曲「Wonderful World Tonight」。

同EPの2曲目「Who Got The Pearls」。ピアニカがキュート。これらの映像は、セントルイスでのショウの模様で、このショウを撮影していたカメラマンの一人が持っていた編集済み映像をアップしたようです。コメント欄にRobert Blackmonが降臨して「これどこの?」とか質問してるのが微笑ましい。

同EPの3曲目「A T.V. Guide In The Olduvai Gorge」。こんどはハモニカがフィーチャーされます。プリミティヴなコーラスの繰り返しが、ほんとに素晴らしい。このEPは、ラストのCaptain Beefheartのカヴァーを除いてJeff Davis曲です。

EPと同じようなコンセプトの87年にリリースされた1枚目のアルバム「Three Squeres And A Roof」の1曲目「3 Cards」。ストーリー感のあるアップテンポな曲。プロデュースは誰だったか。家に戻ったら調べよう。

アルバムの4曲目「Ballad Of Art Snyder」。バラードといいつつも構成があり、物語を聞いているよう。

アルバムの5曲目「Red Umbrella」。パーカッションアンサンブル的なサウンドのミニマルな展開の小品といった趣ですが、これがこのグループの特徴でもありますね。

アルバムの6曲目「The Governor Of Pedro」。インストで、これも上記の特徴が良く出た小品。

アルバムのラストを飾る「We're Not Lost」。まさに極めつけのBalancing Act的なサウンドの名曲。パーカッシヴな繰り返しと、ピュアなコーラス、ドラマティックな展開と衝動的なソロ。いまでも残るファンサイトのサイト名にもなってますね。
このEPと1枚目はカップリングされてIRSからCD化されました(アナログは昔好きだった女の子にプレゼントしちゃいました…)。
このあと、88年にGang Of FourのAndy Gillのプロデュースで2枚目のアルバム「Curtains」をリリース。プロデューサーの候補には、XTCのAndy Partridgeもいたようで、非常に気に入っていたようですが、自分アルバムの制作時期と重なって断ったとのことです。これは、もう少しエレクトリックギターをフィーチャーして、ややストロングなサウンドになってますが、あまり評価されてないAndy Gillプロデュース作の中でも素晴らしいといえる1枚です。
このあと、Victoria Williams関連などでメンバーは活動していたようですが、Jeff Davisを除いてみな音楽シーンからは退き、Davisはしばらくして90年代後半にNiagaraというバンドを作りましたが、これはまた別な話。
訂正で、Willie AronはMystery Popというグループをやっていて、02年にアルバムをリリースしていました。CDBabyでいまでも買えます。また、Davisは、Niagara解散後、L'Avventuraというグループを結成し、現在レコーディング中。うれしい。

ま、どっちにしろ入手は難しいので、映像みて雰囲気だけ、記憶してください。
We're Not Lost - The Balancing Act

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