今日のいちまい

ミルウォーキーのR&B Cadets/Semi-TwangのJohn Siegerの最初のソロ録音「Quiver」93年。シカゴのRecessionからです。
88年にワーナーからデビュー作をリリースしたSemi-Twang(Mitchell Froomプロデュース/Chad Blake録音だったりしますよ)が、92年に解散してカットされたあとのリリースなんですが、実際は、Semi-Twangの2枚目として89年から90年にかけて録音したもののようです。場所は当然ミルウォーキー
Semi-TwangのJohn Sieger(g,vo)/Mike Sieger(b)/Robert Jennings(key)/Mike Hoffman(g)に、ドラムが元のBob Schneider(あのひととは別人)のかわりにJoe Bonadio(これって自分の知ってるニューヨークのJoe Bonadioとは別人だと思う)とMike Murphy(知らない)。Violent Femmesのドラマーが1曲参加。
プロデュース過剰気味なSemi-Twangの1枚目に比べて、ちょっと初期Fav4的な洗練されたR&R/R&Bテイストを持ったSiegerのメロディとマイルドなサウンドが心地よい。このおっさん特有な[3]みたいな遊び心があるかと思うと、[4][5]の沁みるようなメロディのバラード名曲など、作曲ということではSiegerのキャリアでももっとも輝いていたのではと思います。どれもこれも印象深い。
アーシーさを求める分には、80年代末というのはまったく期待できないのですが*1、こういう特別な洗練さを身につけた80年代のメジャーでのルーツロックの最良の部分が、つまった録音かと。南部ポップ的な影響もあると思います(Chris Stameyの音楽に似てるように思う瞬間が多い)。入手はもうなかなか難しいかと思います。

*1:それが90年代後半に急速にアーシーなのが当たり前になっていくことについては、だれかまとめて欲しい。自分はリヴァイバル的というふうにとらえて思考停止中