今日はなんかヒマだ(つまり、いますぐやらないといけない仕事があるということである)。
小学校の運動会が春におこなわれるようになって何年にもなるが、このためか運動会からなくなったものがある。6年生による鼓笛隊演奏である。何年も前の運動会で、その演奏にピュアに感動したことがある。自分はそれで、パフィ「それがわたしの生きる道」(だっけか)を知った。あまり、関係ないが別な年の運動会で、こち亀の「あ〜、そこは亀有〜♪」の歌が整列のときにインストで流れてるとき、自然とガキども大勢がカラオケで歌いだし、勝手にコーラスを担当する連中とか、最後の「ありがとぉ〜っ」まで。制止する大人なぞまったくおらず、なんか素敵だったな。
春に運動会があるのは、秋の芸術会があるためと思われる。これは、毎年ローテーションで「音楽祭」「演劇祭」「展覧会」がおこなわれる。演劇は苦手だが、展覧会は好きで、何がよいかというと、「ピュアに下手」なものが「大量」にある、その常態とはちがう空間のありさまである。自然と笑えるのである。たとえば、1年生が食べ物を紙粘土でつくったのである。2クラス70個とか展示台のテーブルに密集しておいてある。絶対に毒な色の果物とか、お尻からでてきたばかりと思われるハンバーグとか。別な学年ではピカソの絵をみせて、こういうふうに描いてみよう、の自画像が50枚とか壁に貼ってあるのである。もし小学生の子供がいるのにそういうのにいったことがないお父さんとかは、絶対いくべきである。遠慮はいらない。大笑いしてくるのがよいだろう。下手糞どもが〜、と。自分はそういう保護者の感想文をだして、PTA会報に掲載されたことがある。
で、音楽祭である。たいていは、お上手、としかいいようがない演奏が繰り広げられるのだが、たまには、ドキドキするようなものにめぐり合うことができる。ある年の6年生だった。卒業をひかえている彼らにとって、最後の音楽会。音楽の先生も非常に力をいれてアレンジとかしてくるのだが、その年の演目はなんとホルスト「惑星」の「木星」であった。
無茶である。
木星」を、リコーダー(小学校だからソプラノな)群、ピアニカ数台、アコーディオン数台、木琴数台、鉄琴数台、大太鼓1台、そして空気式オルガン1台で実装しようとしたのだ。明らかに戦力不足である。まず、どうみても低音部を再現する楽器がないのである。ここは空気式オルガンが担当していた(ドアーズか…)。開演して驚いたのは、テンポの速さであり、オーケストラとそっくりな構成であり、あまりに実際の楽器の音とミスマッチなアレンジで高速で展開する「木星」に、たちまち惹き込まれてしまった自分であった。ブラボー。いやマジです。これが音楽のマジック、デスね。