キャプテン・ビーフハートザ・バンドの影響下にあったと想像される、80年代後半シカゴの変なカントリー・ロック領域のグループSouled American(いや、違うなぁ。どうもしっくりしない例え)。捩れたリズム感にのっかってメロディや音色はカントリー的というサウンドから、次第にすごく引き伸ばされたタイム感に変わり、何もおこってないような錯覚すらするギターとヴォーカルのアンビエント・カントリー(そんなものはない。無茶いってるな>自分)的な何かにかわっていった。でもダークじゃなくて明るい。あの世の音楽のように。
で、96年の「Notes Campfire」以降、リリースがないが、00年ごろに特徴的なサウンドの中心ともいえるギターのScott Tumaが脱退した(ソングライターのチームはまだ解散とアナウンスは出てないから解散はしてないと思うが心もとない)。Boxhead Ensembleにも参加してるが、ソロも2枚出してる。リリースはシカゴのTruckstop*1(現在はATAVISTICから再発されてるみたい)。
01年の「Hard Again」は、カントリー・フォーク的な簡素なモチーフを、アコースティック・ギターバンジョー、リバーブの彼方から聴こえてくるちょっと歪んだエレクトリック・ギター、オルガン、ブラシを、即興的(想像)にちょっとずらしていくつも重ねて録音された感じ。いちおう4人編成*2だけどギターは本人だけではないか。それと録音ノイズという要素はシンプルで複雑な音響のサウンドライ・クーダーの映画音楽のような。なにかおきてるような、なにも特別なことは起きてないような。でも20年代くらいのアメリカの田舎で流れていても違和感ないような。9曲。
Hard Again
同様なアプローチの03年の「The River 1 2 3 4」asin:B00008XS4G、曲目もなく10分/8分/9分/10分の4つのトラックが収められている。クレジットもいっさいなし。アコースティック・ギターバンジョー、オルガン、ハーモニカ。音数はより少なくなり、ドローン的に、そして、よりルーツ的な深みがある。

*1:http://www.truckstoprecords.com/

*2:Drty ThreeのJim White(ds)、Boxhead EnsembleのMichael Krassnerも参加