Ass Ponys「Some Stupid With A Flare Gun」00年

90年代のaltカントリーからグランジ傾向の流れで、メジャーデビューしたオハイオのAss Ponysも90年代末にはインディー落ちしてましたが、これはシカゴのCheckered Pastから00年に出した復活というか健在作といったところです。
いろいろニヤニヤする要素があるのですが、まずはBrad Jonesプロデュース(次作もそう)。この音楽傾向で、というのが面白いです。録音はナッシュヴィル。「Love Tractor」なんていかにもな曲名(もちろんギターインストです)にもニヤニヤ。
もちろん、最大のニヤニヤは、楽曲の良さ。カントリー風味から締め付けるようなメランコリーと、いつもの静から動へのダイナミックさ(音量のダイナミックレンジも広い)の同居。そこに、整理されたグランジ的なギターの重さと、より間が増えたアレンジ(え、Brad Jonesなのに…)に、いつものものすごい違和感ながら説得力ありまくりなChuck Cleaverの声。もっとも歪んだパワーポップな[7][8]あたりがJones効果*1かなぁ。
[9]あたりのすっとぼけたユーモラスなルーツロックと、[1]のような狂気を秘めたようなぶっこわれた感じと、あの難解な歌詞。こういうバンドはなかなかいない。
これが彼らの最高作かなと思います。買うならまずこれから。
Some Stupid With a Flare Gun
とりあえずみんなが忘れないように書き留めます。自分は忘れるわけがない。
http://www.assponys.org/

*1:復習しよう。親しみやすいメロディとともに、狭い音域に非常に多くのポップ音素を複雑に組み合わせることによる、脳への幻惑効果がJones効果だ(大嘘