V.A.「Take Me Home A Tribute To John Denver」00年

John Denverの現代的なフォーク/フォークロック領域のミュージシャンによるトリビュート・コンピ盤「Take Me Home A Trubute To John Denver」Badman 00年を聴く。ライナーも特になくあまり情報がないので楽曲だけでちょっと言及。
Take Me Home: Tribute to John Denver

  1. Bonnie Prince Billy「The Eagle and the Hawk」彼らしい空間(との対比による寂寞さ)を感じる独唱アカペラ
  2. The Innocence Mission「Follow Me」可憐で素朴な女声のフォーク
  3. Rachal Haden「Poems, Prayers, and Promises」凝ったアレンジのよくプロデュースされた女性SSW。
  4. Red House Painters「Fly Away」轟音なバンドサウンドだが、メロディを大事にしており、枯れ系に特有なミニマルさも感じさせる。泣きメロディの反復と微妙なずれによる展開という手法によってこの曲のエッセンスを抽出してるかのような。彼らなら当然だが長いインスト。
  5. Mark Kozelek and Rachel Goswell「Around and Around」Red House PaintersのKozelekとSlowdiveのGoswellは、素朴な男女デュオでのフォーキーなアコギ弾き語り。Paintersのコアとはこういうものだ、と再認識できる。
  6. Hannah Marcus「Looking For Space」ゴシックな雰囲気もあるNYのSSW。重いドラムと寡黙なベースを下において、アコギとひっそりとしたオルガンが静謐なハーモニーをつくり、遠くヴィヴラホンが配置された上に、重い彼女の声が乗る。
  7. Granfaloon Bus「Matthew」いつものカリフォルニアの連中の音楽。すっとぼけたヴォーカルに、アコギ、弦、控えめなリズムとキーボード、そこにスライドの奏でるメランコリー。だが単なるフォーキーなAltカントリーじゃない展開があるのが彼ら。空間から産まれて、空間に消えていくような、この感覚。儚い。もうこのバンドの録音は出ない。
  8. The Sunshine Club「Annie's Song」スロウな女性声(複数)によるスケール感のあるフォーキーな音楽。当時はこれは発見と思ったのだった。もう録音は出ないのかなぁ。
  9. James Hindle「Whispering Jesse」英国のフォークシンガー。S&Gのような聴いているだけで寂しくなるような素晴らしい声を持っている。
  10. Tarnation With Joe Gore「Leaving on a Jet Plane」サンフランシスコの女性リードヴォーカルのAltカントリーバンドに、Tom Waits関連のGoreという組み合わせ。ゴシックな打楽器(打ち込み主体)によるエクスペリメンタルな雰囲気の中、うっすらとした弦とスライドが置かれ、そこで二人の声によって曲が劇的に展開していく。T-Born Burnett的、か。
  11. Low「Back Home Again」オルガンの響きに導かれた女声による擬似ホーリー感。いかにもLow、か。
  12. Red House Painters「I'm Sorry」2本のアコギで始まり、そのままKozelekが、まったくそのまま歌う。

マイナーな録音だが、再プレスは重ねているようで、それも頷ける。00年近辺のスロウコア/枯れ系/エクスペリメンタルフォークの隆盛の状況は、まったくバブルではないことを強く感じます。つーか、自分的にはいまのアメリカーナの状況とつながっていることを強く認識させる。名コンピ。

というか、自分John Denverについては、ヒット曲以外なにも知らんなぁ、と思った。小学校の頃は、QueenEaglesやKissやOlivia Newton Johnとともにヒットチャートで聴けたのです。何か聴いてみよう。