Tokyo Conflux 4日目

東京コンフラックス4日目、渋谷公園通りクラッシックスへいってきました。もう午後なので記憶はだいぶ苦しい。
今日は、Ken Vandermark(ts,cla)のワンホーンのトリオ2つ。メンバーはシカゴ界隈で活動する(してた)顔ぶれで、しかも両トリオとも初顔合わせのようです。結果として、過去3日間の公演ともまたかなり異なる表情の演奏で、自分個人としては非常に満足度が高かった。客数は60人くらいでしょうか。立ち見がいたようです。
19時半くらいに最初のセット。中央にVandermark(ts,cla)、中央左寄り奥にIngebrigt Haker Flaten(b)、左に田中徳祟(ds)。田中は10年ほどシカゴで活動して最近帰国とのこと。ミディアムテンポで始まり、まさにフリージャズ(ジャズに強調)といったフォーマット。途中からVandermark(ts->cla->ts)らしいリフめいた強力な展開に、おそらく初な田中もガンガン煽りをいれる。さすがに、最後こぼれる場面もあったけど、あれをあわせられるのは長いつきあいだからなわけで、それが瑕ではまったくない。田中は、Nilssen-LoveやJim Black*1といった飛び道具的なパーカッシヴなスタイルと比べ、どちらかというと、どっしりとビートを提供し、ボトムを作るタイプ。2曲目が特によかった。これはいいよー。
1時間ほどやったが、20分くらいに思えるほど集中。え、もう終わり?みたいな。
20時半くらいに2ndセット。中央左寄りにVandermark(ts,cla)、中央奥にPaal Nilssen-Love(ds)、右に観客に背を向けてほかの演奏者と向かい合うように椅子に座って、セミアコ抱えてアンプに寄り添ったJim O'Rouke(g)。これも初らしくて、おそらくVandermark meets O'Roukeということなのでしょう。すごい意外だけど。探り合うような、やや純粋即興寄りのフォーマット。テナーを持ったVandermarkとNilssen-Loveはいつもの調子で、大音響とカタルシスに昇っていくようなさなか、しばらくシングルノートのラインでつきあっていたO'Roukeが、異議を唱えるように音量を逆にしぼり(アンプから音が出てないくらい)、転換する。Nilssen-Loveは音を出さなく(出せなく)なり、Vandermarkはclaに持ち替えて、準備する。
ここから、ものすごい濃密な微音な空間。ギターのタッチ音程度のノイズの繰り返しと、クラリネットタンギングの断続音とのやりとりの合間をみて、Nilssen-Loveがそっと響かせる。オーディエンスも息をひそめる。これがしばらく続いたあと、信じられないくらい美しいギターのフィードバックドローンを皮切りに、クラリネットのミニマルな超高音域のドローン。これも50分以上のセットが10分くらいに感じられた。終わってなかなか拍手でないくらい。
アンコールで、全員登場で、パワーフリーな集団即興(2ドラムあればそうでしょう)。こんときの、Vandermark(ts)の爆発ぶりもそうだが、O'Rouke(g)の壮絶なロングトーンののたうちまわりが、もうよかよか。呆然唖然としてました。10分くらい?腰抜けました。最後Nilssen-Loveが珍しくこぼれて、終わったあと苦笑いしてましたが。

こっから妄想ですが、今日VandermarkはJim O'Roukeを発見した、って感じだと思う。顔がほんと驚いてた。で、つまり彼にとってのJimmy GiuffreにおけるJim Hallを発見って具合にならんかなぁと、Free Fallに嵌ってる自分は妄想するのでした。MCもそんなことをいいたかったのでは、などなど。

ああ、いよいよ本日で最終公演。先々週にICPオケを観た六本木スーパーデラックスで、ブロッツフェス、です。

*1:知人の意見ではこれに芳垣安洋も加える。自分も同意します