House Of Freaks「Invisible Jewel」94年

リッチモンドのHouse Of Freaksの4枚目でラストアルバム「Invisible Jewel」94年 Enemyを聴く。80年代中ごろにRhinoからデビューしたグループで、ブルース寄りな感覚のパワーポップをやる、ジョン・レノンみたいなヴォーカルとコードカッティング、それに手数の多い達者なドラムという2名だけのアンサンブルだった。
初期2枚は、それこそ青い路線で、アッパーでシャウトするボ・ディドリなリズムのやつ、スロウからミディアムでしっとりと歌うやつともに、スケールが大きいメロディがあって、しかし2名でも不足はないよく鳴るバンドだった。
メジャーに移籍するも(Camper Van BeethovenのプロデューサのDennis Herringがらみ)、いままでのシンプル路線から変更してやたら凝ったプロダクションの作品「Cakewalk」91年 Giantを出してびっくり。内容は悪くないし、Bryan Harveyのソングライターとしての決定的な名曲「Never」も含まれていたが、セールスは振るわずその後は沈黙。
で、この録音は、当時ひさびさのHoFの名前でのリリースで、Bryanのインタビューによると、もうミュージシャンとしては終わりだな、という実感の元、でももう1枚だけこの2名で録音を出したかったという思いだけでリリースしたもの。そんな背景があるのか、録音はデッドでパーソナルな感じだが、94年といえば、Gutterballにも参加していたあたりで、Bryanのソング・ライティングが輝きまくっていた頃なわけで、タイトルどおり世間から隠れた名曲集となってます。入手しづらいと思いますが、発見したらぜひ。Rhinoから豪華版で再発されてる初期2枚もお勧めです。
メロディって、こんな半音の上げ下げで、こんな気持ち状態を生成するもんなんですよね。でかいちから。
Invisible Jewel Monkey on a Chain Gang +14 Tantilla Plus