ナッシュヴィルのプロデューサ、キーボード奏者のRoss Rice「Umpleen」97年 E-Squaredを聴く。Brad Jonesプロデュース。
肩の凝らない、しかしよく練られたフックの多いアレンジのパワーポップで、基本ひとり多重録音に近いもので、Brad JonesとKevin Hornbackがベース、Steve EbeやFenner Castnerがドラム、Pat Buchananがギターとナッシュヴィル関連のセッション・ミュージシャンが手伝っている。
94年あたりから比べて、この時期になると、パワーポップ(インディー領域でポップで従来のメジャーシーン的な常識では行き過ぎたくらいの重層的なアレンジをもったメロディアスなバンドをイメージさせる音楽、という自分認識。実際は、スタジオワークを駆使したメロディメーカーの多重録音を中心の形態となっている奇形なDIYポップ)は拡散し、量的に拡大し、インディーでメジャーな音が出てる!みたいな驚きや、アメリカ音楽シーン中の特異性みたいなのは薄らいでいる。
パワーポップ=ポップ領域でのDIY運動。ロウファイと裏表。
商業的には、結局、このようなフックの多い展開で、かつ隙間を恐怖するような狭い音域をフルに使い切った音楽は、一部を除いて、現代のポップ音楽の一般的な市場には、そんなに受け入れられるものでもなかった。のか。


なにをいってんだか。
Umpteen
http://www.rossrice.net/

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追記。ちなみにWilcoが「Summerteeth」を録音していたのは97年から98年なんだよね。とか思い出しました。で、ナッシュヴィルでも録音されている(ただしエンジニアはゴスペル畑)。他には、シカゴ、ノースキャロライナ(エンジニアはMitch Easter)、テキサス(オースチン?)、ポートランド