OP8 featuring Lisa Germona「Slush」97年

さっそく、OP8 featuring Lisa Germona「Slush」97年を聴く。オリジナルはV2でThirsty Earからの02年の再発だったりします。変名にする意味*1はまったくないほどの、閉じたいつものGiant Sand/Calexico。全体にスロウで怠惰で枯れている。Howe Gelbの声の傍若無人さが曲を支配する。いつもよりエクスペリメンタル多目で、ちょっと落ち着かない。
そこにGermonaがときどき絡もうとするが、取り込まれてしまっている。ただし、5曲目のGermona曲「It's A Rainbow」は、ピアノに数本の弦とシンプルなドラムをバックにした、メロディアスな子守唄のような響きがしんみりとくる逸品。Germonaの怒鳴ってないときのKristin Hersh的な声やハミングが沁みる。ちょっとEelsみたいか。
ここから、落ち着きを取り戻し(「自分が」だが)、7曲目のGermona声のフォークロック的味わい、8曲目のGelb声とアコギとブラシだけの駄目親父の後悔の日々の風情など聴き入る。
最後のNeil Young曲「Round And Round」*2の幻想的でいながらウォームで家庭的な雰囲気が、このコラボレーションの成果といったところ、か。
Slush

*1:契約関係か

*2:「Everybody Knows This Is Nowhere」69年収録