World Saxophone Quartet「Plays Duke Ellington」86年

70年代半ばに結成された、サクソフォンカルテットのはしり、WSQの「Plays Duke Ellington」nonesuch/Elektra 86年を聴く。
Plays Duke Ellington
このときはオリジナルのJulius Hemphill(as)/Oliver Lake(as)/David Murray(ts)/Hamiet Bluiett(bs)。タイトルどおり全8曲がEllingtonナンバーで、これがよいよい。
初期の録音に比べると、アンサンブルの比重が増していて、メロディとハーモニーがアンサンブルの主体となっている。半分は、ジャズ的なアンサンブルとソロイストの対比、残りはアンサンブルのみか、アンサンブルと同時多発的なソロのアマルガムとなっている。Hemphillが3曲、BluiettとLakeが2曲、Murrayが1曲を編曲する。
前者ではLake編曲の[7]「In A Sentimental Mood」は、重厚に歌い上げるアンサンブルと、クライマックスではフリーキーになる彼自身によるソロ。後者では、オープニングとエンディングに配置されたHemphillらしいユニゾンの濁った響きの「A列車」、が自分ハイライト。バリトンで歌い上げるBluiett編曲の「Sophisticated Lady」なんて想像をすごい掻き立てられる。
ざらついた濁りと、澄んだハーモニーの交互の変化。ケーキばかり食ってるわけにはいかないんス。