The Gourds「Noble Creatures」07年

これは深化、とはちょっとちがうんじゃ…という印象で目が丸くなったオースティンのへんてこなルーツロックバンドThe Gourdsの待望というには前作からの間隔の短い新作「Noble Creatures」Yep Roc 07年を10回ほど聴いたのでちょっと言及してみる。まあ、相変わらずといえばそうなんだが。
Noble Creatures
なぜか変名のKevin "Shinyribs" Russell(vo,g,mando)に、Jimmy Smith(b,g,vo)、Keith Langford(ds,harmonica)、Claude Bernard(acc,org,p,vo)、Max Johnston(g,mando,fiddle,lap-steel,banjo,vo)といういつもの面子に、ホーンがちょろっと。
変わったというより、いろいろ遊んだという多様な楽曲。いつものコンフントめいたコミカルでごりごり泥臭いのもありますが、びっくりするようなキャッチーさが。まず大きな違いは、いつもの呆れるようなインストパートがコンパクトになってるってとこ。アコーディオンフィドルマンドリンに、ドンタドンタのリズム隊で延々いうお約束が少ない。
レーベルサイトの前振りにあったバラードはきわめて正統なもので、後期CVBやCrackerも連想するようなドラマティックさがあるが、David Loweryと違って根が陽性なもんでものすごく元気でるなぁ。しかしピアノっすか。
曲別の言及はしませんが、現在の印象は、The Silosや、同じテキサスでもButthole Surffers(彼らのカントリー/フォーク/60年代ロックチューンね。サイケなものではありません)とか連想するような仕上がり。って比較がマイナーすぎで誰にも伝わりません、すみません。
この広がりは一時的なもののような気はするが「まあやってみっか、なにしろ俺らできるし」みたいな普通さがこの人たちだな。なお[10]以降の流れは自分的に完璧。[14]は正直驚いた。
「あ?ルーツロックってなんだ?これみんなルーツですから」
てなもんじゃないかと。
あー、The Gourdsのトリビュート盤を企画して欲しい>Yep Roc