2008年の10枚 Rodney Crowell「Sex & Gasoline」

80年代からのカントリースターRodney Crowellがインディー落ちしてYep Rocから出したこの録音。Joe Henryがプロデュース。
ジャム的に流れず、計算されつくしたような一音一音の音量、定位感。曲順も含む、すべてのバランスが、Steely Danのように完璧に聴こえる。それでいて、窮屈には聴こえない。何回聴いても飽きない。なんでかね。メロディかね。
Crowellの声は、いつも以上に電話の受話器越しのようなもどかしさがあるが、それがなにか奥深い知性と直接つながっているような錯覚をおこさせる。しかも[1]での、ラップのような饒舌さを、リズムにあわせて叩き込んでくる格好良さも持っている。どの曲でも、彼の声が待ちどおしくなる。
今年最高の音響的快楽。誉めすぎかね。

Sex & Gasoline (Dig)

Sex & Gasoline (Dig)