Randy Newman「Land Of Dreams」88年

Randy Newmanの80年代の代表作「Land Of Dreams」Reprise/Warner 88年をひさびさに聴く。
Land of Dreams
80年代後半はルーツ寄りのメジャーアーティストのプロダクションが変化してきたときだったと思った。それは、Elvis Costello「King Of America」、Van Dyke Parks「Jump!」、John Hiatt「Bring The Family」に象徴される、バランスを無視したような統一した世界観で企画ものでないアルバム一枚を録音できる、という時代。
で、Randy Newmanのこの録音。ニューオリンズや南部的なものへの帰還をテーマにした楽曲のクオリティはあいかわらず高く、アルバムのトーナリティもNewmanの録音の最上のもののひとつ。
しかし、そのサウンドは、Mark Knoplerのプロデュースによる洗練された穏やかな南部(7曲)、Jeff Lynneプロデュースによる擬似バーバンク(1曲しかない)、James Newton HowardとTommy LipumaによるTOTOを従えた当時のL.A.の先端(4曲)といった具合。弦じゃないNewmanなんて。さっき感じたような時代のはずなのに。
でもその後にリリースされた、Van Dyke Parks「Tokyo Rose」でも、T-Bone Burnett「Talking Animal」でも、こんなサウンドが鳴ってて、がっくりきたんだった。
過剰な期待を別にすれば(シンクラヴィアがのさばってるような楽曲はスキップしちゃいますが)オープニング2曲、Jeff Lynneによる[4]、そして[10]「Follow The Flag」は代表的な佳曲。5枚目くらいには買うといいかもしれない。